相談事例6

LIBパック内制御ICのEOLに伴うトラブル

電動モビリティ用に搭載されているLIBパックの内部制御基板に搭載されている制御ICのEOL(End of life:生産中止)に伴うトラブル相談案件であった。

内容は部品EOLに伴い、変更されたICが影響し以前の機能が保てていないという内容で、下記の構成図における電源ON/OFFに伴うモビリティへの電源供給及び停止における速度が変化してしまったという問題であった。


この案件は電源ON/OFFに伴い、電源供給速度の変化をIC変更前と同等にする事が条件で進めていたようだが、LIBパック自体を海外にて開発している事もあり、依頼会社と開発側が上手く連携が取れておらず、所望の機能が保てていなかった模様。

具体的には図のPower ON/OFFを行う際にCharge/DisCharge Control UnitからのMobilityへの電源供給が行われる速度が遅くなってしまったという事だった。
開発側へ技術的な質疑応答を行った結果、この問題を解決するにはICの変更が必要という事で結果を出されていたようだが、この結果に納得が出来ない点も多くあり、確認していくと変更したICに対して開発側で十分な調査、検証をした上でのEOL対応をしていた訳ではなかった事がわかってきた。

私の方で確認を行った事はICの機能調査、回路図面に対しての問題点について、IC変更無しでの元機能確立への提案という事を担った。

確認を行った結果としては上記構成図のContorol Unitに搭載されているICがネックとなり、Power ON/OFFの信号を受けてからのCharge/DisCharge Control Unit操作に遅延が生じてしまうという事でIC内での設定や外部回路面で対策出来る事がないかを検討したが、ICの動作がネックとなってしまい、以前の動作と同等にすることが不可能であることがわかった。
別途、ICを変更せず他の手段にて機能を確立出来る手段を検討したが、それを行う事によって故障時に対する安全面のリスクが上がる可能性もある事から機能は実現出来ても安全面が下がるというトレードオフの状況から相談者へ提案に対する採用の決議については委ねる事とした。

日本でEOLを行う場合ではこのような事案には発生しにくいように思えるが、海外と開発を行っているという事で連携も含めこういったトラブルに発展する事が稀ではないのではないかと感じる案件であった。

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